048.ソファ







  「アーロン、何か食べてるの?」

 はアーロンの隣に座りながら、そう聞いてきた。

  「チョコレート。」
  「え、良いなあー!」

  「食べるか?」
  「うん。」


 がそういったのを聞くと、アーロンはを抱き寄せてそのままキスをした。
 舌が絡み合う。その上でチョコレートは二人の体温で溶けてゆく。
 甘いなあ、とはぼんやりと思った。
 チョコレートが溶けきっても、チョコレートが口の中から無くなっても、
 二人はそのまま甘いキスを続けた。


 しばらくして、二人の唇が離れた。

 そしてはアーロンの胸の中に頭を埋めた。


  「…今の、ものすごくえっちいよ…。」

  「ははは…。もう一回やるか?」


 そういいながら、アーロンは愛しい人の頭を撫でた。
 もそれを嬉しそうに受けている。



 はアーロンの頬に手を伸ばした。


  「…」


 が何を望んでいるのか、アーロンはすぐに察した。
 そして何もいわずに、二人は再びキスをした。



 まだ、ほんのりとチョコレートの味がした。